近藤直子(1950-2015)訳書・著書
「黄泥街」 残雪(ツァンシュエ)著/近藤直子訳
白水Uブックス 海外小説 永遠の本棚
(同時収録「わからないこと」 残雪『黄泥街』試論 近藤直子著)
2018 10月25日発行
あの町はずれには黄泥街という通りがあった。まざまざと覚えている。
けれども彼らはみな、そんな通りはないという。
わたしは探しにいった、黄色いほこりの中をぬけ、ほこりにかすむ人影
のあいだをぬけて、黄泥街を探しにいった。
逢う人ごとにわたしはたずねた。「ここは黄泥街?」
みな死んだ魚の眼玉でわたしをにらんだまま、問いには答えなかった。
(本文より)
本書は1992年に河出書房新社より刊行されました。
「カッコウが鳴くあの一瞬」
残雪著/ 近藤直子訳
白水Uブックス 海外小説 永遠の本棚
2019年3月発行予定
「蒼老たる浮雲」
残雪著/ 近藤直子訳
白水Uブックス 海外小説 永遠の本棚
2019年秋発行予定
残雪(ツァンシュエ)(1953-)現代中国を代表する作家
近藤直子(1950-2015)中国文学者。詳しくはWikipedia等をご参照ください。